かふかログ

村上龍が語る村上春樹の魅力/ なぜ村上春樹は多くの人に読まれるのか?

Shell

かふか です。

 

村上春樹は世間で色々と批判されたり、逆にその魅力が語られたりしてますが、その中でも僕が1番興味深いと思う考察は、村上龍によるものです。今回はそれを紹介します。

 

 爆笑問題の太田は、村上春樹が大嫌い

突然ですが、お笑いコンビ爆笑問題の太田さんを知ってますか?よくテレビに出てるあのひょろっとした人。彼は小説が好きな芸人としてかなり有名で、毎月数十冊の小説を読むそうです。特に太宰治が好きらしい。

 

そんな彼は、村上春樹が大嫌いなのです。村上作品の主人公のあのクールで喜怒哀楽がない感じがどうも嫌いなのだと言います。うん、分からなくもないですが・・笑

 

太田は「村上春樹のどこがつまらないのか?」という事をラジオで延々と語っています。村上春樹ファンの僕としても、非常に興味深く、面白く聞けます。

 

 

村上龍:「村上春樹は最大公約数が大きい」

youtu.be

 

そのラジオの中で、村上春樹と奇しくも苗字が同じで、同世代作家の村上龍をゲストに迎えて、村上春樹について議論しているのがこの動画です。この中で村上龍が村上春樹について語っています。その考察がとても鋭いのです。

※動画5:00くらいまで

 

村上春樹の小説の一体どこが良いのか?なぜそんなに世界中で読まれているのか? という爆笑問題の太田の疑問に対し、村上龍はこう答えます。

 

「春樹さんは、すごく一般的なことを書いているから。最大公約数が大きいから」と。

 

僕はこれ聞いたとき思わず唸ってしまいました。なるほどと。その通りだと。

 

「一般的なこと」というのは村上龍曰く《自意識のゆれ》です。自分とは何だろう?とか この世界は何なんだろう?といった感じの疑問。自分がこの世界のどこに行けばいいのか、どこにたどり着けるのかという類の葛藤。

 

僕も同意ですが、村上春樹はひたすらこの《自意識のゆれ》を小説の中で描いてます。この矛盾と混沌に満ちた世界の中で自分はどう生きればいいのか?という問いに、直接的でないにせよ、物語を通して語っている気がするのです。物語という比喩を通して、とてもうまく。

 

そしてこの《ゆれ》は世界中の誰しも持っているものです。言語も人種も関係ない。最大公約数が大きいのです。だから村上春樹は世界中で読まれる。

 

さすが同じ小説家だけあって、鋭い考察をするなあと感心してしまいました。同時に、僕がなぜ村上春樹の小説に手を伸ばしてしまうのか少し分かった様な気がしました。

 

以上

かふか